地球上では日本は小さな国かもしれませんが、それよりもはるかに小さな国、それがリヒテンシュタインです。
リヒテンシュタインは、国土の約3分の2が山岳地帯で囲まれており、国の人口は4万人に満たないミニ国家です。
しかし国民の平均年収はなんと1000万円を超えており、世界一豊かな国だとも言われています。
カリオストロの城やハイジのモデルになったと言われているリヒテンシュタインには、一体どのような魅力が隠されているのでしょうか。
それでは、リヒテンシュタインの魅力について見ていきましょう!
リヒテンシュタインとはどんな国?
リヒテンシュタインは、西ヨーロッパ中央に位置しており、世界で6番目に小さい国です。どのくらい小さいのかというと、国土面積160㎢しかありません・・・。
日本の国土面積377,972㎢なので、日本の約2362分の1しか国土面積がなく、もっと言うと日本の小豆島と同じ位です。
ちなみに、世界にはどんな小さい国があるかと言うと・・・
- バチカン:0.44㎢
- モナコ:2㎢
- ナウル:21㎢
- ツバル:26㎢
- サンマリノ:61㎢
- リヒテンシュタイン:160㎢
また、リヒテンシュタインは小さいながらも、タックスヘイブンの国として有名な国です。
【タックスヘイブンとは?】
一定の課税が免除されたり、完全に免除されたりする国や地域のこと。簡単に言うと、税金が安いということですね。
リヒテンシュタインは、法人税がやすかったり、会社の設立が簡単だったりすることから、本社だけをリヒテンシュタインに置く他国籍企業が多くあります。
そのため、国の税率の40%以上を法人税で占めているので、国民には所得税や相続税がかからない国となっているのです。
そのほかにも非武装中立政策の国となっており、リヒテンシュタインは軍隊を持たない平和な国といった特徴があります。
世界の切手マニアが注目するほどの切手の国
リヒテンシュタインを知る人が思い浮かべるのは、まず「切手」です。
国の道路のあちこちにはリヒテンシュタインの切手の柄のタイルが貼られているという、まさに「切手の国」です。
他では容易に真似できない特殊な印刷技術で美しいデザインが描かれた切手は、世界中のマニアから大注目を集めていますよ。
観光局近隣には入場無料の切手博物館があるので、観光の際にはぜひ立ち寄ってみてください。
ここでは独自に切手開発を行っていて、100年前の切手も展示されており、記念切手も販売されていますよ。
また、無料ポストカードをもらうことができるので、SNSが大盛況の今、気に入った切手を購入してポストカードを家族や知人に送っても喜ばれるかもしれませんね。
タックスヘイブンで有名な金融国家
先ほどもお伝えしたように、リヒテンシュタインはタックスヘイブンで有名な国となっています。
【タックスヘイブン】
一定の課税が免除されたり、完全に免除されたりする国や地域のこと。簡単に言うと、日本みたいになんでもかんでも税金を取る国ではないということです!
リヒテンシュタインの通貨はスイスのフランですが、タックスヘイブンとしても有名なこの国ではユーロも使えます。
そのため、税金免除の目的でリヒテンシュタインにペーパーカンパニーをおく外国企業が軒並みに増え、リヒテンシュタインの人口よりも法人企業の数の方が多いといわれるほどです。
そして数多くある企業が納める法人税は国の税収の40%を占めるため、一般国民に対しては所得税や贈与税、相続税等の直接税がありません。
住宅ローンも無利子で借りられるのです。
また、「世界一豊かな国」と聞くとスイスを思浮かべる人が多いかもしれませんが、国民の平均年収に関してはリヒテンシュタインの方が上回っています。
国民の平均年収は1000万円超だと言われているくらいの裕福な国が「リヒテンシュタイン」です。
リヒテンシュタイン公国が誕生した歴史とは?
そもそもリヒテンシュタイン公国はどのような歴史を経て誕生した国なのでしょうか。そこでこの項では、リヒテンシュタインができた背景について迫っていこうと思います。
リヒテンシュタイン家との関係は?
リヒテンシュタイン家の家名は、ハインリヒという人物が12世紀に「リヒテンシュタイン」という城をウィーン郊外に建造したことに由来します。
当時の城主であるシュヴァルツェンベルグ家の娘が「ドナウヴェルト」という貴族と結婚。
その後、居候であるドナウヴェルトの一族が「リヒテンシュタイン」という城の名を家名としたのがはじまりと言われています。
また、リヒテンシュタインの一族は、仕事や才能、商売に長けた一族だったため、17世紀に入り、リヒテンシュタイン家は商売で相当の力を持つようになります。
それをきっかけに「帝国使節会議」への出席が叶う地位を得たいと考え始めました。ただ、そのためには国を所有していなくてはなりません。
そこで、リヒテンシュタイン城の3代目の当主「ヨハン・アダム」が、1699年に当時のシュレンベルグ(現リヒテンシュタイン)の地を購入します。
続いて1712年にはファドゥーツの地も購入。
その後「シュレンベルグ」と「ファドゥーツ」が合併し、現国家である「リヒテンシュタイン」ができあがります。
そして、一国の主となったリヒテンシュタイン家は、長年の夢であった「帝国使節議会」にも出席することができるようになります。
この経緯がリヒテンシュタイン公国始まりの歴史です。
リヒテンシュタインってどこにある?
リヒテンシュタインは、中央ヨーロッパに位置している国で、オーストリアとスイスに囲まれた丁度真ん中にあります。
首都はファドゥーツとなっており、スイス、オーストリアどちらからでも入国することができます。
それでは、リヒテンシュタインまでの行き方について見ていきましょう!
行き方を教えて!
日本からリヒテンシュタインまでは直行便がないため、一度スイス、オーストリアどちらかに行く必要があります。
スイス、オーストリアどちらかでも行くことはできますが、日本から行くのなら、スイス経由で行くことがおすすめです。
そのためまずは、スイスにあるチューリッヒ空港を目指しましょう。
スイスのチューリッヒ空港までは、羽田空港からは直行便はないので、直行便がある成田空港から行くことが良いでしょう!
チューリッヒ空港までは、約12時間30分と少し長いフライトになりますが、直行便があるのでゆっくりとフライト時間を楽しむことができます。
時期によっては、チューリッヒ空港まで直行便がない場合があります。事前に調べてから行くようにしてください。
チューリッヒ空港まで到着したら、リヒテンシュタインまでは鉄道とバスで向かうことになります。
所要時間は2時間くらい、料金は片道40CHF(日本円で約4,300円)程度で行けるので、料金的に見ても、この方法が1番おすすめです!
まずは、リヒテンシュタイン行きのバスが出ているサルガンス駅(Sargans Bahnhof)まで向かいます。
行き方は、空港から市内のチューリッヒ中央駅(Zurich Main Station)まで向かい、そこからスイス国鉄の特急に乗って行くのが一般的な方法です。
サルガンス駅(Sargans Bahnhof)までは約1時間で行くことができ、料金は片道35CHF(日本円で約3,700円)~となっています。
1時間当たり3本程度電車が走っているので安心です。
サルガンス駅(Sargans Bahnhof)からリヒテンシュタインの中心地であるファドゥーツまではバスでの移動となります。
リヒテンシュタインバス11番に乗り、そこから30分程度の道のりです。料金は5CHF(日本円で約550円)程度で行けるのでバスでの移動がおすすめです。
鉄道、バスの料金は時期によって異なる場合があります。行く際には事前に調べてから行くようにしましょう!
リヒテンシュタインの見どころ!
アルプスの山々に囲まれている小さな国は、ヨーロッパの人々の多くが「一度は訪れたい国」としてあげるほどたくさんの見どころがありますよ。
リヒテンシュタインには、どんな見どころがあるのか紹介していきます。
リヒテンシュタイン城
リヒテンシュタイン城は12世紀ごろに建てられ、1311年の帝国戦争で破壊された後、再建されますが再び市民の反乱で破壊されることとなります。
その後解体や再生が続き、現在のリヒテンシュタイン城は1840年ごろに新たに築き上げられました。
リヒテンシュタイン城は「妖精の城」と呼ばれ、豊かな緑に囲まれながら断崖絶壁にそそり立つその姿は、中世のメルヘンの世界にタイムスリップしたような世界観を感じさせてくれます。
お城の内部はガイドツアーを申し込むと有料で見学することが可能ですが、残念ながら城内での撮影は禁止となっています。
また、リヒテンシュタイン城には中庭や展望台もあり、今も結婚式がある時には礼拝堂が使われているそうですよ。
展望台には、一般客も入場することができ、標高817mの岩山から見る眺めは抜群です。
展望台からは眼下に自然や街が一望でき、物語に出てくるような美しくかわいらしい風景を目にすることができるでしょう。
ちなみに、リヒテンシュタイン城は、日本ではお馴染みの「ルパン三世 カリオストロの城」のモデルになったお城としても有名です。
カリオストロの城の映画を想像しながら見るのも楽しめるポイントですよ!
ファドゥーツ城
ファドゥーツ城は、ファドゥーツの市街地から丘を見上げるとその全貌を目にすることができます。
12世紀当時は要塞として建てられ、1712年からリヒテンシュタイン公国元首一家の所有となっています。
現在もフランツ・ジョセフ3世王子とその一家の公邸として使われているため、お城の内部を見ることはできません。
それでも間近で見たい場合は、市街地から山道を徒歩で20分ほど登っていくとお城にたどり着くことができます。
ふもとから見た印象よりもその姿を目の当たりにすると、あまりに大きく立派な造りに驚かされるでしょう。
また、年に1度の建国記念日にだけお城の庭が一般開放され、無料で飲み物・食べ物が振る舞われています。タイミングが合えばぜひ訪れてみてはいかがでしょう!
聖フローリン大聖堂
聖フローリン大聖堂は19世紀に建てられた、首都ファドゥーツのシンボル的な存在の教会です。
オレンジ色の時計の文字盤と金色の時計の針がとても人の目を惹き、その内部では美しいパイプオルガンの音色が響きます。
礼拝の時間を除けば内部は自由に見学でき、祭壇の周りは美しい色鮮やかなステンドグラスが中世の雰囲気をかもし出しています。
坂の上にある聖フローリン大聖堂ですが、苦労して行くかいがあるスポットです!
ファドゥーツの夜景
夜のファドゥーツの街並みは、昼間とは全く違う顔を見せます。
周囲の広大な自然の闇と、建物のやわらかい光が融合して、外界から離れた別世界を訪れたような感覚になります。
このファドゥーツの夜景をカメラに収めて帰る多くの写真家たちも後を絶ちません。リヒテンシュタインに行った際には、絶対に見ておきたい絶景と言えるでしょう!
美しい田園風景
リヒテンシュタインの田園風景はとにかくおとぎの国のようです。
白い雪が残るアルプスの山々に囲まれた大自然の緑と、そこのある牧草地帯や田園、そしてかわいらしい家々が絵はがきのような見事な風景を作り出しています。
ただの田園風景なのに、リヒテンシュタインで見るこの風景は圧巻の絶景といえるでしょう。
この景色を眺めているだけで、何も考えることなく心穏やかにしてくれますよ!
マルブン
マルブンは、スイスの中でもスキーのリゾート地として有名です。
ファドゥーツからは車で40分ほどのスキー場で、その標高の高い所で2000mです。雪があればどこを滑っても良さそうなくらい自由にスキーを楽しめますよ。
各国のロイヤルファミリーがこっそりお忍びでやってくるスキー場らしく、日本からは皇太子も訪れたそうです。
季節によっては雪がなく、スキーを楽しむことができません。スキーをやりたい人は、12~2月の冬の時期に行くのがおすすめです。
リヒテンシュタインのお土産ってなにがおすすめ?
リヒテンシュタインに行った際には、お土産を買っていきたくなりますよね。
リヒテンシュタインには、その国、その土地ならではのお土産があるので、ぜひお土産として買っていってくださいね!
リヒテンシュタイン・ワイン
リヒテンシュタインは、実はワインの名産地としても有名な国です。
現在の国王が保有するワイナリーで製造されており、ビンには紋章が入っていて、ワインの味も格別です。
また、リヒテンシュタインで製造されているワインは輸出されていないので、現地でしか購入することができません。
これほど喜ばれるお土産はありませんよ。
現地を訪れた際には、リヒテンシュタイン・ワインはお土産としてぜひ手に入れておきたいですね。
ただ、ワインを日本に持ち込む際、免税の範囲を超えてしまうとお金がかかってしまいます。免税の範囲を調べ、買いすぎには注意しましょう。(笑)
記念切手
「切手の国」ともいわれるリヒテンシュタインですから、おみやげとしてもぜひ記念切手は見逃せないですよね。
国の収入源の1割が切手だという世界で最も美しい切手は、旅の思い出として買っていくのもおすすめです。
街の観光インフォメーションや切手ショップなど、リヒテンシュタインならどこでも手軽に購入できるので、ぜひお土産として購入しておきたいですね!
入国記念スタンプ(有料)
リヒテンシュタインに行った際は、自分のお土産として入国記念スタンプをパスポートに押してもらうのもおすすめです。
スイスとリヒテンシュタインの間には国境がないため、入国の際にスタンプを押してもらうことができません。
そのため「リヒテンシュタインに行ったんだ!」といった記念を残したい人は、入国スタンプを押してもらうのが良いでしょう!
もしパスポートにリヒテンシュタイン入国の印をもらいたければ、ツーリストインフォメーション(リヒテンシュタイン・センター)に行けば押してもらえます。
ただ、入国記念スタンプは有料となるので注意してくださいね!料金は、3CHF(日本円で約330円)で押してもらうことができますよ。
リヒテンシュタインの「うんちく」あれこれ!
先にお伝えしたカリオストロの城の例もそうですが、他にもあるリヒテンシュタインに関するうんちくを少し紹介していきます。
驚きの情報もあるので、興味がある人はぜひ読んでくださいね!
リヒテンシュタインは『ハイジ』の舞台にもなっている
「アルプスの少女ハイジ」の舞台となっているのが、ファドゥーツから車で20分、標高504mの場所にある「マイエンフェルト」と言う小さな町です。
マイエンフェルドの町は、美しいブドウ畑に囲まれており、リヒテンシュタインのワインの原産地ともなっています。
町にはブランディス城や村役場、山へと続く小道や泉などがあり、その風景はまさにハイジの世界そのものです!
また、ハイジの夏の風景を描いた「オクセンベルク(ハイジアルプ)」や冬を描いた村「ロッフェルス(ハイジドルフ)」などもあるので、ハイジの世界観を味わえます。
「ロッフェルス(ハイジドルフ)」には、ハイジ記念館「ハイジハウス」もあり、リヒテンシュタインに行った際には、行っておきたい観光スポットです!
『国』全体をレンタルすることも可能!?
世界に驚きのニュースとして流れたのは、「リヒテンシュタイン公国をまるごとレンタルできる」というサービスです。
リヒテンシュタインの国をレンタルする費用は600万円で、そこには150人分の宿泊費が含まれているといるそうですよ・・・(笑)
信じられないような話ですが事実です! もちろんレンタル中、公共施設は使い放題、道路の標識もカスタマイズ可能です。
また、レンタル中だけオリジナル紙幣をリヒテンシュタインが用意してくれるというのですから、本当に驚愕のサービスですね。
2018年時点ではレンタル利用者はゼロだそうですが、「面白い!」と思う人は「600万円で国をレンタルする体験」を一度味わってみてはいかがですか?(笑)
ちなみに1日600万円ですけど・・・。
まとめ
リヒテンシュタインは本当に小さな国なので、あえて派手に観光地化している場所は少ないです。
しかし、それだけに落ち着いた素朴な雰囲気を味わえるでしょう。
ただ、小さいとはいってもそこにある大自然や歴史的建造物が立ち並ぶ風景は、どこを切り取っても絵になるものばかりです。
日常の喧騒から離れて、ゆったりとのどかな時間を過ごしたくなったら、ぜひリヒテンシュタインを訪れてみてはいかがでしょう。
リヒテンシュタインに行くことで、身も心も穏やかな気分になれますよ!
海外旅行に行く方で、海外旅行保険に加入していない人は多いです。
しかし、これって正直やばいです。こっちがひやひやしてしまうくらい、危ないです!
たとえば、アメリカで手術すると盲腸で300万円とかの費用になります。海外旅行保険加入していないと、これが自腹です。
ヤバいですよね。破産してしまいます。
そこで、海外旅行保険に加入しましょう。とはいっても、海外旅行保険付きのクレジットカードを発行すればオッケーです!
おすすめのカードは、エポスカードです。
うれしいことに、自動付帯なのでエポスカードを持っているだけで、海外保険が適用されます!
年会費無料で海外旅行保険に加入できるので、持っていなければ損ですよね。