その昔、アフリカ大陸から分離して生まれたソコトラ島は、インド洋に浮かぶ「秘境」といわれる世界遺産の島です。
長い年月、過酷な気象条件にさらされながら、島に生息する動植物は「なぜ?」としか思えないような独自の進化を遂げました。
今回は、謎と不思議、そして特異だらけのソコトラ島の全貌について迫っていこうと思います!
ソコトラ島はどんな島?
ソコトラ島は、2300~500万年前にアフリカ大陸から分離し、1つの島となったと考えられています。
「インド洋のガラパゴス」「インド洋の赤い宝石島」とも呼ばれている不思議に包まれた島です。
ソコトラ島が最初に歴史的文献に登場するのは、紀元前2世紀のことです。
この頃の記録によると「ソコトラ」という言葉は、サンスクリット語でいう「加護の島」「幸福の島」が語源になっているといわれています。
当時、ソコトラ島は海上貿易における中継地とされていて、ギリシャ人、インド人、アラブ人等の商船が寄港することで栄えていたそうです。
後に航路が衰退し、現在約44,000人の島民の生活は農業が中心となっています。
また、ソコトラ島の住民はソコトラ語を話しますが、ソコトラ語には文字が存在しないため、その言語の消滅は時間の問題ではないかともいわれています。
そのほかにも、ソコトラ島で最も特徴的なことといえば島の動植物です。
ソコトラ島には独特の生態系が残されており、固有種だけでも植物で300種、爬虫類で24種、鳥類で8種が確認されています。
昆虫の多くもソコトラ島固有種であるというあまりに珍しい特異な島です。
ソコトラ島はどこにある?
ソコトラ島は地理でいうと、アラビア半島から南へ300km、アフリカ大陸にあるアシール岬から東北東へ240kmの位置、ソマリア沖合に浮かんでいる小さな島です。
では、ソコトラ島に行くには具体的にどのルートを辿っていけば良いのでしょうか?
行き方を教えて!
日本からソコトラ島へ行く際には直行便はないため、まずはアジアの各都市、ヨーロッパの各都市の空港を経由し、イエメンのサヌア空港まで向かうのが一般的です。
行き方はさまざまありますが、ドバイを経由する場合、ドバイまでのフライト時間は約11時間、ドバイで乗り継ぎをしてからサヌア空港までは約3時間です。
そこからさらにソコトラ島へ行くには、サヌア空港からさらに飛行機に乗り変えでソコトラ空港へ向かいます。
イエメニア航空からは、フェリックス航空の飛行機が一般的で、ここでのフライト時間は2時間45分です。
乗り継ぎは必ずしもスムーズではないので、日本からソコトラ島までのトータル所要時間は30~35時間程度と思っておくのが良いでしょう。
イエメン本土は、非常に治安が悪い地域です。そのため、イエメン本土の観光を考えている方は十分に注意するようにしましょう!
ソコトラ島に行くならいつがおすすめ?
ソコトラ島に行くベストシーズンは10~3月上旬です。この時期は1年の中で比較的気温が低めで、一番過ごしやすい季節だといえるでしょう。
4、5月は最も気温が高く、日中は40度を超えることも珍しくなく、観光するには少し暑すぎですね・・・。
また、5~9月はモンスーンのため強風が吹いたり、12~2月は雨や霧の発生が集中する時期になったりして、ソコトラ島行きの飛行機が出ない場合もあります。
ソコトラ島に旅行に行く場合は、なるべく一番気候が安定している10~3月にかけて行くのがおすすめですね!
ソコトラ島で見れる特有の植物や動物を紹介!
ソコトラ島に生息する動植物は、固有種が多く非常に特徴的です。とても地球のものとは思えないようなものばかりですよ。
竜血樹(りゅうけつじゅ)
ソコトラ島にしか存在しない、シンボルとしても非常に有名なのが竜血樹です。
その幹から流れ出る真っ赤な樹液からその名がつけられ、その樹液は古来から塗料や薬として大事にされてきました。
島には伝説があり、2人の兄弟が死ぬまで戦い続けた際の血であるとか、象との死闘で傷ついた竜の血から生えてきたというものです。
また、樹液が取れるのは樹齢200年を超えた竜血樹からだけだとか・・・。
そのほかにも、葉がすべて上を向いていているのは、この地をしばしば覆う霧から水分を吸収するためだそうですよ! 不思議な樹ですね。
ボトルツリー
ボトルツリーもソコトラにしかない固有の木で、太い円錐や三角錐の幹を作り、そこからさらに同様の太い枝を複数伸ばすという不思議な形状をしています。
ボトルツリーは、季節によっては上の写真のようにピンクのキレイな色をした花を咲かせますよ。
別名「デザート・ローズ」とも呼ばれ、その由来は、「まったく土が見当たらない様な砂地や岩場にも成長する」というところから来ています。
ボトルツリーの開花時期は、5~7月と言われています。時期によっては、花が咲いているボトルツリーを見るのは難しいかもしれません・・・。
乳香の木
乳香の木は、古くからこの樹脂を焚いて香、または香料の原料として利用されてきました。
その樹脂の色が乳白色であるため、そこから「乳香」の名と呼ばれるようになったわけです。
お香以外では漢方薬・中医薬としても使用され、止血、鎮痛といった効能もあるとされています。
古代では乳香はしばしば儀式などに用いられたとても高価なものあり、イエメンは乳香の産地として栄え、「幸福のアラビア」とも呼ばれるようになりました。
現在、乳香の木はイエメン本土ではあまり見られなくなりましたが、ソコトラ島には乳香の木が8種類存在し、質の高い乳香の原料となっています。
ソコトラナ
ソコトラ島固有種のガガイモ科の植物です。複雑で精巧な花を咲かせ、見る人を飽きさせない魅力があります。
カラン・ファリナセア
ソコトラ島固有種の多肉植物で、真っ赤に色づくチャーミングな花を咲かせます。
テフロシア・オドラタ
出典:http://www.saiyu.co.jp
ソコトラ島固有種で、鮮やかな色の花を咲かせるマメ科の植物です。
コムメリナ・フォルズカラエイ
出典:http://www.saiyu.co.jp
可愛らしい花を咲かせるツユクサ科の蔓性多年草です。
ソコトラ・アロエ
ソコトラ島固有種のアロエです。ソコトラ・アロエから採取される樹液は、便秘・高血圧・マラリア等の薬としても用いられています。
キュウリの木
ソコトラ島固有種で、絶滅危惧種でもあります。花や実、花もキュウリそっくりです。
エジプトハゲワシ
ソコトラ島では生息している鳥類も有名で、200種類を超える種類の鳥が生息していると言われています。
その中でもとくに有名なのが、絶滅危惧種としても認定されている「エジプトハゲワシ」です。顔全体に羽毛がなく、黄色い皮膚が露出している特徴を持った鳥です。
産まれたばかりの幼体は褐色の羽毛に覆われていますが、成長に伴い上記の画像のような白い羽毛に変化していきます。
山羊(やぎ)
ソコトラ島では山羊が最も大きな動物です。天敵が存在しないので、島の全体に多数繁殖しています。
そこら辺で、山羊の群れを見ることができますよ! 噂では、ソコトラ島の人口よりも山羊の方が多いと言われているくらいです(笑)
ソコトラ島で行っておきたいおすすめスポット!
ソコトラ島には不思議で魅力的な絶景を誇るいくつものおすすめスポットがあります。
ディクサム高地
ディクサム高地は、島の中央部を占めている標高600~800の高地です。
ここにはソコトラ島のシンボルである竜血樹の姿を楽しめることで知られており、展望台からは峡谷の対岸にも無数の竜血樹が立ち並ぶ不思議な光景を楽しめます。
また、絶滅危惧種でもあるエジプトハゲワシも数多く目にすることができるスポットとしても有名です。
デトワ・ラグーン自然保護区
出典:http://www.saiyu.co.jp
コバルト・ブルーの海と真っ白な砂浜のラグーンを一目見たらその美しさには言葉を失うでしょう。
ソコトラ島ではラグーンも自然保護区として指定されていて、島独自の生態系を維持しています。
キャンプ場もあるため、この美しい景色を目に焼き付けながらのキャンプも可能ですよ。
ホムヒル自然保護区
ホムヒル自然保護区は島の北東部に位置しており、ソコトラ島の生態系がそのまま守られています。
山の斜面を覆い尽くす竜血樹の眺めは圧巻ですし、その竜血樹、ボトルツリー、乳香の木を一度にまとめてみることができる場所が広がっています。
その風景を見る角度や立ち位置はさまざまであり、訪れる人たちをいつまでも飽きさせないことでしょう。
ディハムリ海洋保護区
出典:http://www.saiyu.co.jp
ソコトラ島は周囲を美しい海に囲まれていますが、その中で海岸近くのサンゴ礁が無数に広がっている場所がディムハリ海洋保護区です。
ソコトラ島は、周囲の海の生態系もさまざまで海洋生物たちの生息状況は紅海に共通するものがあります。
ディムハリ海洋保護区にもキャンプ場があり、キャンプやシュノーケリングを楽しむことができます。
ディレシアビーチ
ディレシアビーチは、どこまでも美しい砂浜が続く、小さなピラミッド型をしたスナガニの巣を無数に観察できるビーチとして有名です。
モンスーンの強風が吹く季節には、砂が岩肌に吹き上げられることで砂丘が作られます。ただただ、いつまでも眺めていたくなる自然の風景です。
ソコトラ島での旅行を楽しむのは良いですが、ゴミなどで自然を汚す行為は絶対に行わないようにしてください!!
ソコトラ島での最大の楽しみ方!!!
今までに観光スポットを見に行くだけでも、十分にソコトラ島旅行を楽しむことができます。ただ、せっかくソコトラ島まで来たなら、体全体を使ってより楽しむようにしましょう!
ドライビング
ソコトラ島の自然や動植物を見て楽しむなら、ドライビングがおすすめです。
自然に囲まれた道をただ車で走るだけで、今まで味わったことのない経験をすることができます。
車は、ソコトラ島でレンタカーを借りる手段もありますが、やはり現地をよく知るガイドのついたツアーでドライビングを楽しむのがおすすめです!
現地の人しか知らない秘密のスポットにも連れてってもらえるかもしれませんよ。
ただ、ドライビングに出かけてしまうと、店やコンビニなどは一切ありません。出かける前に、食べ物や飲み物はしっかりと用意してから出発するようにしてください。
キャンピング
ソコトラ島に来た際は、自然の中でのキャンピングも楽しむポイントです。
ソコトラ島を楽しめるスポットはほぼ自然の中ですから、その中でキャンピングを行うのはまさに最高の楽しみです。
海辺や川のそば等には、キャンプする場所も用意されているため、誰でも気軽にキャンプを楽しむことができます。
しかし、個人でキャンプ用品を用意するのは大変なので、アウトドア用品が一式用意されているツアーがおすすめでしょう。
ソコトラ島をたっぷり楽しむには、ツアー等のあらかじめのキャンピングの申込みをしておくのがおすすめですよ!
ただ、街以外にはトイレやシャワーなども当然ありません。気になる人にはちょっと向いてないかもしれません・・・。
ハイキング
車に乗りながらでもボトルツリーや竜血樹は見られますが、それらが自然の中で群生しているところを見たいのなら、ハイキングがおすすめです。
ソコトラ島をハイキングしながら回ることで、珍しい樹々や動物を間近で楽しむことができます。
ハイキングを行うことで、歩きでしか行けない秘密の場所や見らない絶景も見ることができますよ!
ソコトラ島は山々に囲まれた地域なので少し大変かもしれませんが、せっかくソコトラ島に来たのなら、歩いてみてはいかかでしょう!
先ほどもお伝えしたように、街以外には店やコンビニなどは一切ありません。出かける前に、しっかり準備してから出発するようにしてください。
シュノーケリング&ダイビング
ソコトラ島を最大に楽しむためには、きれいな海でのシュノーケリングとダイビングは欠かせません。
島の周囲はまさに手つかずの海に囲まれており、自然のままの海を楽しむことができます。
海中にはさまざまな種類の魚や珊瑚、海を上がれば鳥やカニたちばかりです。日本では見ることができない生物にもであえるかもしれませんね!
ソコトラ島を訪れたら陸地だけではなく、海までも余すところなく楽しんでくださいね。
ソコトラ島に行く際に注意することってなにかある?
ソコトラ島に行く際には、注意すること・あらかじめ心しておいた方が良いことがあります。一般的な観光旅行に行くのとは少し勝手が違うかもしれません。
予定通りにたどり着けるとは限らない!
冒頭でも少しお伝えしたように、ソコトラ島は、島の位置的にモンスーンの影響を強く受けてしまいます。
そのため、旅行の日にモンスーンが直撃してしまえば飛行機が欠航してしまい、ソコトラ島までいけない可能性もあります。
たとえ、ソコトラ島ツアーで申し込んでいたとしても島までたどり着けないという可能性があることは事前に心しておきましょう。
行くならツアーがおすすめ!
ソコトラ島に行くなら断然ツアーがおすすめです。世界遺産に登録はされましたが、観光地としてはほとんど整備されていません。
そのため、よほどの時間的余裕と強い意志がなければ、自分で観光して回るのは非常に難しい島です。
また、食料などもほとんど売っていないため、島へ来る前に用意しておくことが必須ですよ。
ただ、島内には土産物屋やスーパーなどはほとんどありません。ですから、ソコトラ島の多くを見たいのなら、衣食住の整ったツアーの方が十分に楽しめるでしょう。
まとめ
今回は、謎と不思議に包まれた秘境「ソコトラ島」について、島の特徴や楽しみ方をお伝えしました。
ソコトラ島の自然やそこに生息する動植物は、まさしく空想やおとぎ話の世界に出てくるようなものばかりですよね。
そしてその未知の部分に惹かれて、島を訪れる人が後を絶たないのでしょう。
地球でありながら他の惑星に来たような感覚を体験できるソコトラ島です。あなたの次の旅の目的地はソコトラ島を選んでみてはいかがでしょうか。
海外旅行に行く方で、海外旅行保険に加入していない人は多いです。
しかし、これって正直やばいです。こっちがひやひやしてしまうくらい、危ないです!
たとえば、アメリカで手術すると盲腸で300万円とかの費用になります。海外旅行保険加入していないと、これが自腹です。
ヤバいですよね。破産してしまいます。
そこで、海外旅行保険に加入しましょう。とはいっても、海外旅行保険付きのクレジットカードを発行すればオッケーです!
おすすめのカードは、エポスカードです。
うれしいことに、自動付帯なのでエポスカードを持っているだけで、海外保険が適用されます!
年会費無料で海外旅行保険に加入できるので、持っていなければ損ですよね。